椎名林檎さんが、ニューアルバムに付属するグッズを巡って大炎上しています。
一体どういうことなのでしょうか?
(10月18日追記)公式サイトがグッズのデザイン改訂とアルバム発売延期を発表
10月18日、公式サイトから正式発表がありました。
公式サイト全文
平素より弊社商品およびサービスをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
11月30日に発売を予定しておりました、椎名林檎オフィシャル・リミックスアルバム「百薬の長」【UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤】に付属するグッズの内容について、多くの皆様からご意見をお寄せ頂きました。弊社にて検討した結果、当該商品につきましてはグッズのデザインを改訂するとともに、発売を延期いたします。
今回の【UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤】の付属グッズは、内容及びデザインを弊社で企画検討したものです。
そのデザインについて改めて弊社で検証しましたところ、法令の確認を含めた各種チェックが不十分であったこと、また、日本赤十字社及び東京都福祉保健局からも各マークの使用規定などについてご指導を頂きましたことなどを踏まえ、このたびの決定に至りました。
ファンの皆様、当該商品をご予約頂いた皆様、そしてリミックスアルバムの制作に携わって頂いたアーティスト及び関連各位の皆様にご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。
そしてヘルプマークをご利用の皆様、その普及に努められている皆様には、ご不安・ご不快な思いを抱かせてしまいましたことを心よりお詫び申し上げます。
今後は制作物に対するチェック体制および社員向けのコンプライアンス/倫理教育についても改めて見直し、再発防止につとめてまいります。
ユニバーサルミュージック
椎名林檎が炎上したアルバム付属のグッズ
椎名林檎さんが炎上するきっかけとなったのは、11月30日発売のリミックスアルバム「百薬の長」です。

こちらのリミックスアルバムは、スペシャルパッケージ仕様になると3種のグッズが特典として付いてきます。
『百薬の長』 グッズ(3種)
■夢語りマスク(マスク+マスクケース・セット)
■これっポーチ(ミニ巾着ポーチ)
■諸々券ケース(アクリル・カードケース)

問題となったのが、
・諸々券ケース

・夢語りマスクの、マスクケース

です。
「ヘルプマークに似すぎている」と批判の声が
今回の炎上の原因は、椎名林檎さんのグッズが「ヘルプマークに似ている」ということです。

ヘルプマークは、外見からは分からなくても援助が必要な方にとって、「命綱となる大切な印」なのです。
もう少し詳しい説明として、東京都福祉保健局の文章を引用すると、
義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマークです。
東京都福祉保健局HPより
というものです。
ヘルプマークは、シンプルながら赤地に白の十字とハートのマークで、ハッキリと目立つデザインになっています。
最近では徐々に認知度も上がってきてるようですね。
問題となっている今回の椎名林檎さんのグッズは、やはりヘルプマークに酷似していると言わざるを得ません。

そして、こちらのデザインをみた人々から、批判が殺到しているのです。
椎名林檎さんが大好きだという人も、複雑な気持ちになっているようです。
見ただけでは障害があると分からない、自分の意思でヘルプを出せない子が居ます。うちの子にとってヘルプマークは命綱です。
— まな💙 (@manata33) October 7, 2022
コスプレ感覚で身につける方が増えると、いざというときに命綱になりません。どうか考え直してください。
実際にヘルプマークを使っている方からも、疑問の声が多数あがっていました。
ファンを病人として例えヘルプマークに似たグッズを配り
— 炊き立て炒飯 (@FreshFriedRice) October 8, 2022
アルバムを処方薬をとし名前を #百薬の長 とする。
病人がヘルプマークを身に着け処方された薬を飲む行為をパロディにしてそんなに楽しいのか?#椎名林檎 は白衣を着た事がある有名人なだけで医療を揶揄するのが許されるとでも思ってるのか?
確かに椎名林檎さんといえば白衣のナースのイメージもありますよね。
でも、グッズとして作っていいものとダメなものの線引きはきちんとすべきかもしれません・・・。
ちなみに、このような意見もありました。
ヘルプマークの著作権は東京都に帰属し、商標登録されているそうなので、類似性が認められたら問題になるかと。
ヘルプマークは東京都が著作権を有し、商標登録もされています。 またJIS規格の案内用図記号に収録されています。
東京都が著作権を保有していたのですね!
他にも、
・デザインが似すぎ。紛らわしい。
・ヘルプマークの信用がなくなるからやめて欲しい。
・こういうものをパロディにするのはまずいだろ。
・デザインした人はヘルプマークを知らないのか、知ってて作ったのか?どちらにしても見識を疑う。
など、この件に関しては本当に多くの声が上がっていますね。
「よく見れば別物だと分かるし、かまわないのでは?」
「そこまで似ているという訳でもなくない?」
「ヘルプマークの認知度が上がってむしろ良いのでは?」
というような意見も見かけましたが、やはり批判する声のほうが多いようです。
マスクケースの「赤十字」もアウトでは?の声

そしてさらに、
「ヘルプマークの件よりもヤバいのでは?」
という声も上がっているのが、こちらのマスクケースです。
こちらのデザインにはいわゆる「白地に赤い十文字」である「赤十字マーク」が使われています。
しかし、「ジュネーブ条約」と「赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律」によって、赤十字のマークは正当な理由なく使ってはいけないとされているのです。
日本赤十字社も、このようにツイートしています。
赤十字マークについて、わかりやすく解説した文章を引用します。
赤い十字のマークは病院や医療を象徴するマークだと思っていませんか? 実は違うのです。
赤い十字のマークは「戦地や紛争地で活動する救護員やその施設を攻撃から守るためのマーク」であり、赤十字マークを掲げている人や施設を攻撃してはいけないとジュネーブ条約で定められているのです。
そして日本でも、赤十字社など定められた組織以外がこのマークを使うことを、「赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律」で禁止しているのです。
インプレス
つまり、赤十字マークとは
「デザイン的に良さそうだから」
などと、軽い気持ちで勝手に使って良いマークではないんですね。
類似したマークでもダメなんだとか。

そのため、
「赤十字マークをアルバムグッズのデザインに使うことはどうなのか?」
「これは法律に抵触しないの?」
と疑問に感じた人も多かったようです。
やはり、ヘルプマークに似せたデザインも、赤十字のマークも、「グッズのモチーフ」として使うべきではないということですね。
このデザインに、椎名林檎さんが直接関わっているのか、OKを出したのかは不明ですが、やはり残念な気持ちになったというファンの方も多いのではないでしょうか。
こんな意見まで飛び出していましたが・・・
もし仮に炎上商法だったとしても、今回のケースはあまりに危険な賭けでしょう。
アルバムの発売延期や発売中止・グッズの変更はある?(※10月11日追記あり)
2022年10月8日時点では、公式サイトやアルバムの特設サイト、ユニバーサルミュージックストアの公式Twitterにも動きはないようです。
アルバムの発売中止や、グッズの変更・差し替えなどがあるのか?という声もありましたが、まだ情報がありませんでした。
発売日が11月30日となっているため、日にちが迫っていますが、どのように対応するのか現時点では不明となっています。
【追記】10月11日
10月10日、椎名林檎さんのリミックスアルバムの特設サイトに、以下のような文章が掲載されました。
椎名林檎オフィシャル・リミックスアルバム 百薬の長【UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤】に関するお知らせ(2022/10/10)
11月30日発売の椎名林檎のオフィシャル・リミックスアルバム 「百薬の長」【UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤】に付属する特典グッズに関しまして、多くの皆さまから頂きましたご意見を踏まえ、弊社内で協議しております。改めてご案内させて頂きます。
ユニバーサルミュージック
特典グッズに関しては、社内で協議中とのことです。
椎名林檎は昔から赤十字マークを使ってたのでは?という意見も
椎名林檎さんは、以前にも赤十字っぽいマークを使っていたのでは?という声が上がっていたので、調べてみました。
それは2000年12月7日に発売された、ライブ映像集のDVD
「下剋上エクスタシー」
のことを指しているようです。

確かに、白地に赤い十字のマークを使っていますね。
また、ツアーグッズにも赤十字が使われていたようです。

これらのデザインは、2000年当時には問題にならなかったのでしょうか?
実は2000年というのは、まだまだSNSの黎明期。
Twitterが日本語でリリースされたのは2008年のことでした。
ですので、現在のように
「あっという間に情報が拡散する」
ということは、テレビなどで取り上げられない限り、ほとんどなかったのではないでしょうか。
ですので、これは椎名林檎さんのファンやDVDを購入した人たちだけが知っている情報だったのかもしれません。
もしも、「これ、赤十字だよね?ひょっとしてマズいかも?」と思ったファンの方がいたとしても、当時はそれを世間に広く伝える手段そのものがなかったのです。
まとめ
「椎名林檎さんの所属事務所に質問文・抗議文を送った」とツイートしている方も複数いましたので、今後何か動きがあるかもしれません。
何か動きがありましたら追記いたします。